西興屋で人を死なせた大蛇
どんな伝承か
昔、西興屋に、大蛇を見た衝撃で命を落とした人がいた。蕗を採りに行くと、葉の陰に茶壺ほどもある蛇がとぐろを巻いていた。ぞっとして逃げ帰り桑を取りに行けば、今度は桑の大木ほどの大蛇が枝の上から冷たい目でにらみ、舌を出していた。肝をつぶして帰ると屋敷の草むらにももう一匹いて、真っ青で家に倒れ込んだその人は、それがもとで病みついて死んだという。また昭和の初めごろ大水が出たとき、奥山から流木とともに流された大蛇が西興屋の土手に這い上がるのを大勢が見た。堆肥の陰や屋敷の藪で見た者もいて、藪に入るときは用心せよという立て札が立った。
原典より
むかし西興屋に、なんぼか大っきな蛇を見たために、そのショックで死んだ人があった。—— 村上市史 民俗編 下巻(村上市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村上市史 民俗編 下巻(村上市史)
『村上市史 民俗編 下巻』は、新潟県村上市の市史の民俗編から、口承の節(伝説・世間ばなし・謎とことわざ)を抜き出したものである。地名・神社・寺や仏・地蔵・水・人・動植物・塞の神・杖の跡に分けた伝説と、狐や河童、火の玉、山の神などの世間ばなしを、土地の言葉の語りのまま採集地を添えて収める。義経が跳び越えた一跳山、三面川の小助島、岩船の大火など、村上市内の土地に結びついた話が中心である。