夢枕に骸骨で立った帰還の親友
どんな伝承か
親友の平野嶺夫は十年も外地から帰らず、中共で囚人となっていると伝えられていた。ある夜、その男が骸骨の姿となって岩崎栄の夢枕に立った。その翌日の新聞で、彼の帰還が報道された。岩崎は舞鶴まで彼を出迎えに行った。しゃれこうべや骸骨が夢枕に立って何かを知らせるという例は、嘘でなければ珍しく生々しい体験であり、この話もそうした一例として岩崎栄が別冊週刊サンケイに寄せたものである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・1969年(昭和44年))
『日本怪談集 幽霊篇』は、今野圓輔が昭和四十四年に編んだ幽霊体験談の集成である。新聞・雑誌・単行本や民俗の報告、編者自身の採集から、影や物音、人魂、生霊、死の知らせ、皿屋敷、戦死者の霊、船幽霊、タクシーに乗る幽霊など、日本各地の人びとが見聞きした怪異を、作家の創作を除き原文を尊重して再録する。十章に分けて各章の頭に編者の解説と注を置き、巻末に産女や子育て幽霊を論じた「幽霊外伝」と木原浩勝の解説を付す。