座敷に降りそそぐ飛び銭
どんな伝承か
仙台の塩倉丁、今の東一番丁南部に大町刑部頼利の屋敷があった。元禄二年の夏頃、この屋敷によく小石が飛び込んできた。子供の悪戯と思っているうちに、今度はどこからともなく銅銭が二つ、三つと座敷に投げ込まれ、そのうちに五つ、六つとなり、やがて合計百数十枚にもなったという。昔はこれを飛銭といい、この種の降石の怪異は諸国に少なくなかったという。のちに子孫の大町将監が、その飛銭を五代藩主吉村公に見せたということであった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮城県史 民俗編(茂木徳郎(「妖怪 幽霊」の章)・宮城県史シリーズ)
『宮城県史 民俗編』は宮城県の県史の民俗編で、ここに収めるのは茂木徳郎が執筆した章「妖怪 幽霊」である。山・道・木・水・海・雪・家など出現の場所による分類に沿って妖怪変化を論じ、幽霊とヒトダマ・死霊・生霊の観念を考えたうえで、県内の妖怪・幽霊・動物変化の伝承を郡・町村名を添えて集める。序説・本論・事例篇・参考の順に並び、序説では昭和二十四年の迷信調査と昭和三十年のNHK仙台中央放送局の調査にも触れる。