主人の危難を知らせた猫の塚
どんな伝承か
仙台の保春院前丁一本杉、もとの伊達家邸内(現在のウルスラ学院構内)の南に塚があり、俗に猫塚と呼ばれていた。昔、この近くに住む侍が猫を飼っていたが、妻女が厠に行くたびに裾にまつわりついて離れない。侍は仇をなすものと思い、一刀のもとにその首を切った。猫の首は天井の方へ飛び上がり、見ると、小窓から這い込んで下を狙っていた大蛇の咽喉もとに咬みついていた。飼主の危難を知らせるためだったと初めてわかり、厚く葬ったのが猫塚であるという。以前は近くに蛇の骸を埋めた蛇塚もあったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮城県史 民俗編(茂木徳郎(「妖怪 幽霊」の章)・宮城県史シリーズ)
『宮城県史 民俗編』は宮城県の県史の民俗編で、ここに収めるのは茂木徳郎が執筆した章「妖怪 幽霊」である。山・道・木・水・海・雪・家など出現の場所による分類に沿って妖怪変化を論じ、幽霊とヒトダマ・死霊・生霊の観念を考えたうえで、県内の妖怪・幽霊・動物変化の伝承を郡・町村名を添えて集める。序説・本論・事例篇・参考の順に並び、序説では昭和二十四年の迷信調査と昭和三十年のNHK仙台中央放送局の調査にも触れる。