徴兵検査で見つかった尾のある若者三人
どんな伝承か
大正三年七月に和歌山県の徴兵検査が終わった。その体格検査で、有田郡出身の若者のうち三人の尻に、長さ一寸あまりの尾のようなものがあるのが見つかり、担当の徴兵官は全国にも例のない珍しい事実だと驚いた。ほかに尿道が破れて女性の局部のように形の変わった者も一人いたという。筆者はこの記事の前に、明治の新聞が伝えた仏領インドシナの尾のある少年の話や、探検隊が捕らえた尾のある土人の話を挙げ、人間にもまれに尾のある者がいることは否めないと述べ、和歌山の件は徴兵検査官が見つけたことなので信じてよい記録だとしている。
原典より
和歌山県における徴兵検査は、四日(七月)を以つて終了したるが、県下における徴兵体格検査の際、有田郡出身者にして臀部に長さ一寸余の尾(?)の如きものある人物三人まで発見され、…—— 日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著)
『日本怪奇集成-明治大正昭和篇』は、富岡直方が編んだ怪奇実話集である。明治元年から昭和七年までに各地で起きた幽霊や狐狸の怪、畸形や奇病、天変や奇瑞、世相の珍事を、当時の新聞・雑誌の記事と筆者自身の聞き書きから集めている。明治・大正・昭和の三篇に分け、話ごとに年月を掲げて通し番号を振り、新聞記事を引いたうえで紙名を末尾に添える形を基本とする。