区役所の上空を覆った赤蜻蛉の大群
どんな伝承か
大東京市が実現した祝日、足立区に不思議な奇瑞が現れて新区民を狂喜させた。氷雨に悩まされた市民の頭上に珍しい碧空が広がった午前十時頃、足立区の新区役所上空に、どこからともなく数十万の赤蜻蛉の大群が飛来した。約一丁四方の空をとざし、見事な編隊や旋回飛翔など、まるで空中分列式のように数十分乱れ飛んだ後、またいずこへか飛び去った。お祭り気分に呼応したような有様に、付近の人々は吉兆だと足立区の将来を喜び合った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方編著・日本怪奇集成・昭和初期(推定昭和2-3年))
明治・大正・昭和の怪奇譚(日本怪奇集成)/生首と幽霊の怪/狐狸のいたずら/怪盗と世相の怪異/各時代の不思議な事件