老人の戒めを破って荒れた赤倉の沢
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どんな伝承か
中村某は筍を取ろうと、隣家の斉藤某と連れ立って岩木山の裾野の小杉沢へ行った。そこで顔見知りの老人に出会う。老人は煙草を吸いながら、赤倉の沢へ行ってはなりませんぞ、風雨の難ばかりか怪我もしかねません、と注意した。斉藤は、赤倉の沢には筍が多いのを知られたくないからあんなことを言うのだと取り合わず、二人は沢へ踏み入った。すると突然山中が震動し、足下から黒雲が起こって谷を塞ぎ、雷が轟いて驟雨が砂石を流した。二人は筍を背負って十四、五町も逃げた。すると先の老人が藪陰から声をかけ、言うことを聞かぬから濡鼠だと大いに笑った。一町ほど下ると雨の跡もなく、山戒は犯すべからざるものと知れたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集
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