年貢に祟る蓑と笠と鍬
どんな伝承か
慶応の頃と伝える。羽州柴橋の代官所手代大橋健三郎は、凶作続きで年貢を納められぬ百姓の事情を承知しながら取り立てを厳しくし、首をくくる者まで出したため寝覚めの悪い日を重ねていた。その晩も寒河江の遊女屋で朝を迎え、ふらつきながら街道を役宅へ向かうと、日がまぶしかったのに急に暗くなり、道に百姓の蓑と笠と鍬が投げ出されていた。健三郎がつぶやくと三つは舞い上がって彼の周りを回り、火を吐き、抜刀する間もなく中天へ昇って消えた。その晩から健三郎は気が狂ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃)
東北怪談の旅(山田野理夫)/飢饉の非業の死と怨念/巫女(イタコ)の口寄せ/座敷童子・河童の怪/東北各地の幽霊伝承