萩の染物屋に住み込む三十過ぎの染物師正左衛門のもとに
どんな伝承か
萩の城下の染物屋・養三郎は仕事が丁寧で客が多かった。住み込みの染物師正左衛門は三十を過ぎても独り身で店に尽くしていたが、ある日故郷の母から書状が届き、庄屋喜助とともに萩へ会いに来ると知らされた。母との再会を喜んでいた正左衛門だったが、忙しさがたたって熱を出し、その夜のうちに息を引き取ってしまった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私は幽霊を見た(東雅夫(編)・MF文庫ダ・ヴィンチ)
『私は幽霊を見た――現代怪談実話傑作選』は、東雅夫が編んだ怪談実話のアンソロジーで、メディアファクトリーのMF文庫ダ・ヴィンチの一冊である。平山蘆江・火野葦平・佐藤春夫・徳川夢声・遠藤周作・柴田錬三郎から石原慎太郎・新倉イワオ・稲川淳二まで、作家や文化人が自ら見聞きした幽霊や怪異を書いた文章を集める。目次には二十三篇と編者解説が並び、水木しげる・山田野理夫・桝井寿郎の座談「怪談詮議」や中岡俊哉「イタコの謎を追う」の抄録も含む。