神さんの家の子が欲しがり腐った弁当
どんな伝承か
長門萩地方では犬神のことを「神さん」と呼び、神さんの家の者に欲しいと思われた食物は何でも腐ってしまうと信じられていた。小学校のころ、ある生徒の弁当が腐っていたことがあり、同じ組に神さんの家の子がいたため、その子が欲しがったからだろうと噂しあった。犬神持ちの子は小学生であっても周囲から排斥されていたという。
原典より
神さんの家のものに欲しいと思われた食物は、なんでも腐ってしまう。—— つきもの持ち迷信の歴史的考察――狐持ちの家に生れて(速水保孝・速水保孝・憑きもの研究・1953年(昭和28年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
つきもの持ち迷信の歴史的考察――狐持ちの家に生れて(速水保孝・速水保孝・憑きもの研究・1953年(昭和28年))
『つきもの持ち迷信の歴史的考察――狐持ちの家に生れて』は、速水保孝が昭和二十八年に著し、柏林書房から刊行した憑きもの筋の研究書である。島根の狐持ちの家に生まれた著者が自らの体験を語り、破談や絶交など迷信が今も残す実例、蛇持ち・犬神・外道・とうびょうなど十一種の類別、人狐物語や松江藩の御触書、隠岐の訴状などの文献を取りあげる。後半では近世中期以後の新興地主と村八分から迷信の発生を説き、柳田國男と恒松安夫の序を付す。