脳卒中の昏睡で見たオレンジ色の雲
どんな伝承か
毛利孝一さんの二度目の体験は昭和五十二年、六十八歳のとき。自宅から診療所へ向かう途中で脳卒中の発作を起こした。診療所で最初の患者を診ようとしたが呂律が回らず、右手が麻痺してお茶をこぼし、そのまま昏睡状態に陥った。翌日目覚める直前、ふわふわした羽布団に包まれ無重力で浮いているような感覚になり、寝ている自分の両脇や足元をオレンジ色の雲が覆い、それをもう一人の自分が下から見上げていた。何の苦痛も不安もない、ゆったりとした安楽な気分だったという。
原典より
寝ている自分の両脇や足のところまで、ズーッとオレンジ色の雲がおおっているんです。—— 臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション)
『臨死体験(立花隆)』は、立花隆が著したノンフィクションである。一九九一年三月放送のNHKスペシャルのための取材を出発点に、日本と欧米の体験者の証言、キュブラー・ロスやムーディら研究者への聞き取り、「文藝春秋」連載中に寄せられた体験談を収める。体外離脱、光の体験、文化による体験の差、感覚遮断や脳の仕組みを章ごとに論じ、末尾で現実体験説と脳内現象説を比べたうえで、著者は基本的に脳内現象説に立つと述べる。