根尾谷丸山へ向かうと上がる雨
どんな伝承か
竜神には風雨その他の天然現象を左右する能力が具わっているという考えは日本に昔からあるが、あるいは真実かもしれないと語り手はいう。かつてこの会で話した岐阜市の菊花石館主白木孝一翁から聞いたところによれば、同氏が菊花石の産地である根尾谷の丸山へ用事があって出かけるときには、どんなに雨が降っていても、いつも必ず晴れ上がるのだという。白木翁自身は竜神のことは何も言わなかったが、降雨が止むという奇跡については確信を持っている様子だった。これもやはり根尾谷の竜神の加護によるものだろうかと語り手は付け加えている。
原典より
いつかこの会でお話した岐阜市の菊花石館主白木孝一翁から聞いたところによれば、同氏が菊花石産地、根尾谷丸山へ用事があって行かれるときには、どんなに雨が降っていても、いつも必ず晴れ上るという。—— 日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年))
『日本神異見聞伝』は、笠井鎮夫が昭和四十九年に著した霊異の見聞記である。第一篇では、大正期に大本で鎮魂帰神を受けた著者が、霊媒による死者の招霊や狐霊・竜神の託宣、霊石の発掘などを研究会での語りの口調で伝える。第二篇では、慶応三年のええじゃないかのころ尾張・遠江・駿河・美濃・丹後などで起きたお札降りを、旧家の古文書や郷土史家の便り、著者の現地調査から記録している。