驚滝の行場に果てた元霊媒
どんな伝承か
研究所の元所員だった霊媒の水原きくのは、狐が憑いたと口走るほど心を病み、入院費が続かず湯殿山の行者に預けられたまま行方が知れなくなった。数か月後、奥多摩の沢入にある派出所の巡査から、女が発狂して驚滝の行場にいるので引き取ってほしい、と速達が届く。著者たちが向かうと、そこは日原の鍾乳洞から仙元峠へ抜ける谷あいの、名に似合わぬ荒い滝だった。谷底から荒くれた男たちが何かを背負って登ってくる。平地へ仰向けに転がされたのは、髪を振り乱した老婆のような女の亡骸であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私の心霊術(長田幹彦・昭和中期(1940年代~1950年代推定))
幼少期の地獄極楽のぞきからくり(私の心霊術)/心霊術と降霊の実演/作家長田幹彦の心霊体験/交霊と幽霊との接触/明治〜昭和の心霊文化