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柳に抱かれていた洗濯の娘

所在地岩手県盛岡市盛岡駅前通
年代不明(伝承)
登場美しい娘、柳の精の美男
出典日本の幽霊たち ― 怨念の系譜

どんな伝承か

昔、木伏という盛岡の一町名の土地に美しい娘があった。毎日、家の前の北上川へ出て、勢いよく伸びた柳の樹の下で洗濯物をしていた。ある時その娘が、いつもの通り洗濯に出たまま行方が分からなくなった。家の人や村の人が方々を訪ねたが見当たらない。ところが二、三日たってから、娘がその柳の木の幹に、たくさんの枝々で絡まれてしっかりと抱かれているのを見つけた。娘は助けられて家へ連れて来られ、長くぶらぶら病いにとりつかれて青い顔をしていたが、よくなってから語った。夕方いつものように柳の下で洗濯をしていると、見たことのない美男が来て抱きついて放さなかったという。その後、柳の木は自然と枯死した。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路)

『日本の幽霊たち――怨念の系譜』は、阿部正路が著した日本文学の幽霊論である。『竹取物語』『源氏物語』『平家物語』などの物語、『今昔物語集』から『遠野物語』『聴耳草紙』に至る説話、能と歌舞伎、さらに三遊亭円朝・泉鏡花・森鴎外・小泉八雲らの近代の作品に現れる幽霊をたどり、怨念の系譜として読み解く。第一章で幽霊の時・季節・姿・場・目的を論じたのち、物語・説話・能と歌舞伎・近代の章を立て、終章で稲生屋敷の物怪や百鬼夜行など幽霊の周辺に及ぶ。

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