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山中のマヨヒガと尽きぬ米の椀

所在地岩手県宮古市小国
年代不明(三浦家二三代前)
登場小国の三浦某の妻
出典黄昏綺譚

どんな伝承か

『遠野物語』六十三話が伝えるマヨヒガの話である。小国の三浦某は村一番の金持ちだが、二、三代前の主人の頃はまだ家が貧しく、妻は少し魯鈍であった。妻がある日、門前を流れる小川に沿って蕗を採りに谷奥深くへ登ると、立派な黒い門の家があった。庭には紅白の花が一面に咲いて鶏が遊び、牛小屋に牛が、馬舎に馬が多くいたが人影はない。座敷には朱と黒の膳椀が取り出され、火鉢の鉄瓶が沸いていた。山男の家ではないかと恐ろしくなって駆け戻った後、川上から赤い椀が一つ流れてきた。拾って米櫃の量り器にすると米が尽きなくなり、家はこれより幸運に向かったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

黄昏綺譚(高橋克彦・幽霊・怪異体験・1996年(平成8年))

『黄昏綺譚』は、高橋克彦が連載をまとめ、一九九六年七月付のあとがきを付したエッセイ集で、吉田光彦の挿絵と組んだ画文集である。著者が体験し見聞きした分身や生霊、寺での怪異、前世、UFOなどの不思議と、史料や神話に残る怪異、宮澤賢治をゴッホの生まれ変わりとみる考えを語る。「この世に幽霊はいる」「不思議な話が史料や神話に」「宮澤賢治はゴッホの生まれ変わり!!!」の三部に分かれ、巻末にあとがきと丸尾末広の解説「黄昏るペン」を収める。

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