湯のたぎるマヨヒガに迷い込んだ婿
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どんな伝承か
金沢村は白望の麓にあり、上閉伊郡の内でもことに山奥で、往来する者も少ない。六七年前、この村から栃内村の山崎のある家に娘の婿を取った。この婿が実家に行こうとして山路に迷い、またあのマヨヒガに行き当たった。家の有様も牛馬鶏の多いことも、花が紅白に咲いていたことも、すべて前の話の通りである。玄関に入ると膳椀を取り出した室があり、座敷には鉄瓶の湯がたぎって今まさに茶を煮ようとするように見え、便所のあたりに人が立っているようにも思われた。茫然とし、後には次第に恐ろしくなって引き返し、ついに小国の村里に出た。山崎の者は長者になろうと大勢で探しに入ったが、空しく帰って来たという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。
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遠野市の伝承
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