岩手の名の由来となった鬼の手形
どんな伝承か
岩手の地名の由来とされるのが、盛岡市にある三つ石神社の鬼の手形の伝説である。この一帯は大昔、鬼が支配する土地で、民は鬼を恐れながらも神として崇めていた。そこへ本物の神が出現して鬼を退治し、三つ石の一つに縛り上げた。動きを封じられた鬼は神に懇願し、この土地を立ち去ると同時に民への祝福を誓った。神は言葉だけでは信用せず、証文の代わりとして岩へ手形を押させた。それ以来この土地は岩手と呼ばれるようになったという。もっとも語り伝えは乏しく、『岩手百科事典』にも三つ石神社の周辺に鬼が住み着き神に退治されたとある程度で、境内の手形も人の掌ほどの大きさにすぎないと著者は記す。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
黄昏綺譚(高橋克彦・幽霊・怪異体験・1996年(平成8年))
『黄昏綺譚』は、高橋克彦が連載をまとめ、一九九六年七月付のあとがきを付したエッセイ集で、吉田光彦の挿絵と組んだ画文集である。著者が体験し見聞きした分身や生霊、寺での怪異、前世、UFOなどの不思議と、史料や神話に残る怪異、宮澤賢治をゴッホの生まれ変わりとみる考えを語る。「この世に幽霊はいる」「不思議な話が史料や神話に」「宮澤賢治はゴッホの生まれ変わり!!!」の三部に分かれ、巻末にあとがきと丸尾末広の解説「黄昏るペン」を収める。