棚から食器を投げる赤顔の童子
どんな伝承か
稗貫郡花巻の在の外川目村のある家には、昔から赤顔のザシキワラシがいるという噂があった。今から四年ばかり前のある日、土蔵に置いてあったはずの食器類が、いつの間にか本屋の棚の上に運ばれて来ていて、家の人が揃って夜食などをする時、上からがらりと投げ下ろされたことがある。これはそのザシキワラシの悪戯であったそうである。当時その家に仕事に行っていた大工の直話で、下閉伊郡小国村生まれの大工が著者に語ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。