蚊に血を与えた覚盛上人と梵網会の扇
どんな伝承か
唐招提寺中興の高僧覚盛上人が弟子たちに講義していたとき、蚊が上人の身体にとまった。弟子が追い払おうとすると、上人は「蚊に血を与えることも仏の道である」と諭した。法華寺の尼僧たちはこの高徳を偲び、唐招提寺の梵網会に玉扇を捧げるようになった。今も毎年五月十九日の梵網会には、法華寺門跡が玉扇を奉納している。
原典より
唐招提寺中興の高僧と仰がれる覚盛上人が弟子たちに講義中、蚊が上人の身体にとまった。—— 奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史)
『奈良市史 民俗編――伝説』は、自治体史『奈良市史』民俗編のうち、第十一章「伝説」と巻末の「民俗資料」の冒頭を収めたものである。昭和三十七年から三か年にわたり市内各町の自治会長や古老、社寺を訪ねて集めた伝説に文献の伝えを加え、春日大社・東大寺・興福寺などの社寺や、吉備真備・俊寛・中将姫らゆかりの人物にまつわる話を収める。木・石・塚・水・山・森・社寺・人物・動植物・町名の十節に分け、一話ごとに題を立てて記す。