動かせば死ぬ八島の投げ石
どんな伝承か
淡路へ流されることになった早良親王が、石を九つ投げたという。そのうち八つが落ちた場所が今の八島で、残る一つは帯解の北之町に落ちたと伝わる。八つの石は崇道天皇陵のかたわらにある。往来の邪魔になるというので、あるとき力自慢の男がこれを片づけようとした。里の者は罰が当たると止めたが、男は聞き入れずに石を動かしてしまい、その年のうちに死んだ。以来、この石に手をかける者はいなくなったという。
原典より
早良親王が淡路に流罪となったとき、石を九つ投げられた。—— 奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史)
『奈良市史 民俗編――伝説』は、自治体史『奈良市史』民俗編のうち、第十一章「伝説」と巻末の「民俗資料」の冒頭を収めたものである。昭和三十七年から三か年にわたり市内各町の自治会長や古老、社寺を訪ねて集めた伝説に文献の伝えを加え、春日大社・東大寺・興福寺などの社寺や、吉備真備・俊寛・中将姫らゆかりの人物にまつわる話を収める。木・石・塚・水・山・森・社寺・人物・動植物・町名の十節に分け、一話ごとに題を立てて記す。