浄真寺の来迎会で菩薩が渡る橋
どんな伝承か
東京都世田谷区奥沢の浄真寺では、三年に一度、八月十六日に来迎会が営まれる。境内にはやや反りの強い高い橋が架けられ、和讃の声が響くなか、二十五菩薩がこの橋を何度も渡っていく。希望する者は冥加金を納め、仏の面をつけて菩薩の列に加わり、浄土へ代参する。橋は現世と浄土をつなぐ通路であると同時に、二つの世界を隔てる境でもあると考えられてきた。奈良の当麻寺の練供養で極楽堂と娑婆堂の間に橋が架けられるのも、同じ心意によるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・1986年(昭和61年))
『暮しの中の妖怪たち』は、岩井宏實が昭和六十一年に著した妖怪の概説書である。鬼・天狗・河童から山姥、産女、雪女、怪火、ザシキワラシ、化け猫、狐狸、幽霊まで、各地の伝承や古典・絵画に見える妖怪を一つずつ取り上げ、その姿と仕業を説く。第I章で個々の妖怪を紹介し、第II章で妖怪の性格、出現の空間と時、正体を論じ、巻末に著者が資料とした妖怪の本の一覧とあとがきを置く。