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若宮田――稚児の祟り

所在地長野県下伊那郡阿南町新野
年代伝承
登場京都から逃れて来た稚児、熊谷直美、話者
出典新野民俗誌稿――長野県下伊那郡阿南町(口頭伝承)

どんな伝承か

あるとき、京都からのがれて来た稚児が中仙道を入って来て、どちらへ行けば逃げられるかと尋ねた。教えてやると向方から坂部の方へ行き、稚児のあとを向方の百姓たちもついて行った。坂部の天竜川のふちまで来ると、稚児は追いつめられたと思ってふちから川へ飛び込んで死んでしまい、あとから行った百姓たちは稚児の持っていた太刀などを盗んでしまった。やがてその百姓たちに疫病などのたたりが立つようになり、恐ろしくなった人びとは向方の道筋に小さい祠を建て、そのそばに田を寄進して、そこからとれる米でまつったという。稚児が飛び込んだ淵を「ちごがふち」、寄進した田を「若宮田」という。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

新野民俗誌稿――長野県下伊那郡阿南町(口頭伝承)(湯田朝子(第十五章「口頭伝承」))

『新野民俗誌稿――長野県下伊那郡阿南町(口頭伝承)』は、阿南町新野の民俗誌稿のうち、湯田朝子がまとめた第十五章「口頭伝承」の報告である。昭和五十三年一月に新野の古老五人から採話した昔話・伝説・ことわざ・なぞを収め、昔話には日本昔話名彙・日本昔話集成の話型を注し、伝説は信仰的・歴史的・文芸的の三つに分けて話者の名と生年を添える。昔話の語り始めと語り納めの形式や語りの場の変化も記し、ことわざとなぞで結ぶ。

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