白砂の足跡で知る死者の帰宅
どんな伝承か
八重山郡石垣島の川平では、四、五十年前まで死後三日目のまつりをミーダチと呼んで行っていた。この日、浜から清浄な白砂を取ってきて家の入口へ一尺四方ほど敷きつめ、家人はその夜、家を空けて他所で夜を明かす。早朝に帰ってきて白砂に足跡がついていれば、死者が帰ってきたのだという。死者が帰ってきたのを忌むというが、それは後々の変化で、元来はこの晩、家で死者の霊を迎えまつるものだったのではないかとみられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年))
『霊魂の行方』は、最上孝敬の葬送習俗に関する論説を集め、名著出版が昭和五十九年に刊行した論集である。死者の霊を家から送り出す霊送りやカラダビ、骨掛け、男女別墓制と半檀家、無縁仏、盆と施餓鬼、葬儀の水など、千葉・埼玉をはじめ各地で聞き取った習俗と既刊の報告をもとに論じる。「霊送りとその周辺」「葬送の諸問題」「葬祭の民俗」の三章に二十八篇を収め、巻末に初出一覧、大島建彦の解説、年譜、著作目録を付す。