御倉の校舎で遊んだ白衣の童子
どんな伝承か
十七、八年ばかり前、遠野の小学校がまだ南部家の米倉だった御倉を校舎に使っていたころ、学校に子供の幽霊が出るという噂が立ち、皆が見に行ったことがあった。見たという人によると、夜の九時ごろ、白い着物を着た六、七歳の童子が玄関の戸の隙間から入ってきて教室の方へ行き、机や椅子の間をくぐって楽しそうに遊んでいたという。柳田は、これも多分ザシキワラシだったろうと考える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪談義(柳田國男選集 五巻)(柳田國男・柳田國男・妖怪学・1956年(昭和31年))
『妖怪談義(柳田國男選集 五巻)』は、柳田國男が妖怪についての論考を集め、昭和三十一年に自序を付して編んだ論集である。妖怪と幽霊の別を説く総論「妖怪談義」に始まり、川童・小豆洗い・ザシキワラシ・山姥・山男・大太法師・一つ目小僧・天狗などを、各地の言い伝えと方言の呼び名から考える。巻末に全国の妖怪の名を短い説明つきで集めた「妖怪名彙」を置き、大藤時彦の解説を付している。