イタコの実演に殺到した都市の人々
どんな伝承か
こんにちの都市住民が呪術宗教の世界から完全に離脱解放されたと見るのは早計である。巫女の機能には霊媒的性格を加味した心霊的要素が多く見られ、その魅力に惹かれる現代人は決して少なくない。現に昭和四十二年二月二十日から二週間にわたって開催された東京の松屋百貨店浅草店の「イタコの実演」には、多くの人々が口寄せの依頼に殺到している。同じ店を会場として開いた日本民俗学会の談話会にも、会員のみならず多数の研究者が参集して活発な討論が展開された。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂観の系譜――歴史民俗学の視点(桜井徳太郎・桜井徳太郎・歴史民俗学・昭和(民俗学))
民俗学者・桜井徳太郎『霊魂観の系譜―歴史民俗学の視点』。日本民俗学を歴史研究と結びつける歴史民俗学の方法を提唱し、古代から現代に至る日本人の霊魂観を追究する。I『民俗学と歴史研究』では日本民俗学の宿命・対象・方法と歴史研究との関係を論じ、II『歴史民俗学の構想』では柳田国男の重出立証法を批判・克服し、奥多摩小河内村の婚姻習俗(朝聟入り型・承認権)を作業例に郷土の民俗像の史的復元を試みる。