ゼネフさんの出現
どんな伝承か
清田益章が「ゼネフさん」と呼ぶ存在に初めて出会ったのは、超能力を始めて一年ほどたった中学二年の頃だった。音もしないのに電話を取らなければという気がして受話器を上げると、発信音のような音の中に、日本語でも英語でもない地球のものとは思えない言葉が聞こえた。それが一週間ほど続き、父は気が狂ったかと心配したという。やがて家の曇りガラスの障子の端を、明かりがついているのに黒い影がすっと通るようになり、ある時ふと見ると人影が立っていた。目も鼻もあるが並びが人間とは違い、耳が長く目は赤みがかった西洋の悪魔のような姿だったが、表情は好意的で、怖さは感じなかったという。
原典より
で、まあ、一週間ぐらいたったんだけど、そのうちね、うちに、曇りガラスの障子みたいなのがあるんだけど、そこの先っちょに黒い影がスーッと、電気がついてんだけど、来るわけよ。—— サイキの海へ――超能力をめぐる対話(清田益章・宮内勝典・清田益章・超能力・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
サイキの海へ――超能力をめぐる対話(清田益章・宮内勝典・清田益章・超能力・1986年(昭和61年))
『サイキの海へ――超能力をめぐる対話』は、宮内勝典と清田益章が一九八六年に交わした対談をまとめた本である。スプーン曲げで知られた清田の幼いころと超能力少年としての歩み、テレビ番組でインチキと報じられた事件、アメリカの大学での念写実験、病気治し、ロックや心理学への関心を率直に語り合う。宮内が出会いを記した序文に始まり、東京・雑司が谷で行った対話を小見出しで区切って収め、沖縄や石垣島のシャーマンに触れた宮内の結びで閉じる。