出口直子のお筆先と浅野の解読
どんな伝承か
浅野和三郎は明治三十二年に東京帝国大学英文学科を卒業し、旧帝国海軍の機関学校教官として横須賀に住んでいたが、そこで大本教に入信した。やがて官職を辞して教団本部のある綾部に移り、幹部となる。綾部時代の浅野は、教祖出口直子が明治二十五年以来書きつづけてきた自動書記の神諭、いわゆる『お筆先』の解読に情熱をそそいだ。信者たちは、その筆録のなかに、すでに現実となって的中した予言が含まれていると信じた。浅野にとって、語脈も用語も新奇なこの筆録に取り組むことが、心霊研究へ開眼していく過程であったという。
原典より
これに類するものを、浅野和三郎は大本教教祖出口直子によるいわゆる"お筆先"に見出した。—— 新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜(田中千代松・田中千代松・心霊研究) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜(田中千代松・田中千代松・心霊研究)
『新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜』は、田中千代松が著した思想史の研究書である。死者の霊との交信を説く新スピリチュアリズムと、そこから生まれた心霊研究、さらに超心理学までの系譜を、社会思想史の観点から科学と宗教の闘争史としてたどる。全七章と結語から成り、欧米での勃興、クルックスらの実験研究、マルクス主義からの攻撃、SPRとASPR、井上円了と福来友吉、ラインの実験と超心理学の限界を順に論じる。