邪見の女房が二十丈の大蛇と化す
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どんな伝承か
奥州胆沢郡上ノ胆沢の高山掃部祇春は五十七郷の総大主で、慈悲第一の人であった。しかし女房は大悪無道の邪見の女で、朔日や盆正月、彼岸や五節句などの休みがなければ日本一の長者になれるものをと、天を仰ぎ大地を叩いて悔しがった。神仏に憎まれた女房は大蛇の苦患を受け、塩引の鮭を一度に二百本食い、水を運ぶ下女まで呑み、三百六十人の眷属と三人の若君を呑み尽くし、ついに夫の掃部祇春をも取り殺した。神仏が四方から館に火をかけると、女房は黒雲を呼び、七日七夜の雷雨のうちに二十丈余りの大蛇となって泉水を崩し、四方七里のみぞろが池を作った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説(胆沢町(編)・胆沢町史・自治体史(民俗))
岩手県胆沢町の伝説・昔話を網羅する。第一節は高山掃部長者と松浦佐用姫の物語で、薬師如来本地松浦佐夜姫誕生記、高山掃部長者竹生嶋弁財天胆沢物語、『南部叢書』所載の奥州胆沢高山実伝(高山稲荷の由来、嘉門長者の妻が嫉妬で大蛇に化し止々井の大堤に隠れて人を害し、美女を牲に供える年番が定められ、遠州小夜の中山から小夜姫が身売りして奥州に下り、牲に上るが神明仏陀の冥助で害を免れ大蛇の骨角を埋葬、潟岸薬師・諏訪明神を祀る)など複数の版と考証を収める。
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