角筏に帆を張り北上川へ出る大蛇
どんな伝承か
大蛇は十六の角を取り出して神通の筏を組み、車をつけ、小夜姫が読んだ法華経を帆に掛けて、姫とともに角筏に乗り、北上川へ乗り出した。陸に残った人々は、あの姫君は人間ではあるまいと行方を三度伏し拝み、吉実は尊い神仏を買い下したものだとさざめき渡って帰った。大蛇が去った上下胆沢は国土安穏に納まり、人々はその後、吉実を守護し奉ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説(胆沢町(編)・胆沢町史)
『胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説』は、胆沢町の町史民俗編の一冊のうち、第四章「口承・伝説」を収めたものである。第一節は松浦佐用姫と高山掃部長者の伝説を扱い、胆沢・水沢周辺の伝説地を列挙したうえで、町内に伝わる佐夜姫の本地物の写本や『南部叢書』所載の「奥州胆沢高山実伝」を翻刻する。第二節「いさわの昔話」は大蛇・狐・むじな・飢饉・戦後の怪異などの話を番号順に並べ、第三節「いろいろな昔話」へと続く。