節分の夜に艮の金神が憑く
どんな伝承か
明治二十五年の旧正月、夫を亡くし子どもたちも次々と不幸に見舞われていた出口ナオは、元旦の夜から五晩続けて、気高い神に招かれ額から腹へ光を吹き込まれる夢を見た。五日目の節分の夜、神床に祈っていると体が反り返って震え出し、腹の底から熱いものが突き上げて、うしとらのこんじんと名乗る男の声が口からほとばしった。ナオは必死にやめてほしいと頼んだが、声は三千世界の立替えを告げ続けたという。後年、末女のすみは、鈴を振るような母の声と荒々しい神の声の取り合わせが奇妙だったと語っている。これが筆さきの始まりとされる。
原典より
五日めの二月三日(旧正月五日)節分の夜、ナオはささやかに祀られた神床に向かって懸命に礼拝していると、にわかに自分のからだが反身になっていくのを感じた。—— 亀岡の大予言者――東洋の巨人・出口王仁三郎の世界(加藤正民・たま出版・心霊/予言) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
亀岡の大予言者――東洋の巨人・出口王仁三郎の世界(加藤正民・たま出版・心霊/予言)
『亀岡の大予言者――東洋の巨人・出口王仁三郎の世界』は、「天下の浪士」を名のる加藤正民が、出口ナオと出口王仁三郎、教団大本の歩みを心霊の立場からたどった論考である。ナオの神がかりと筆さき、王仁三郎の出現と高熊山の修業、『霊界物語』の口述、二度の大本事件、晩年の陶芸と死までを、筆さきや関係者の証言を引いて述べる。全編を通じて二人に現れた霊流を「A」「B」と呼び、大本の出来事が後の国の出来事を先取りした「型」を論じる。