火の雨に備えて掘った萩の火穴
どんな伝承か
宝飯郡荻村(現音羽町)の長観には火穴と呼ばれる場所がある。武烈天皇の頃、約千五百年前のこととされ、諸国に火の雨が降るから気をつけよとのお達しがあったため、村人たちが避難のためにいそいで掘った穴だと伝わる。今もその名残りとされる大石が数個残っている。御津町の岩屋穴観音の岩屋も同じ時に造られたものだといい、こうした火穴は三河の山岳地帯の各地に数多く残っているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
愛知県伝説集(福田祥男・1961年(昭和36年))
『愛知県伝説集』は、福田祥男が昭和三十六年に著した愛知県の伝説集である。尾張・三河の山や海、淵や池、地蔵と観音、石や塚、城跡、地名、動物と変化、植物、祟りと怨霊などにまつわる言い伝えを、原型に忠実に再現することをめざして平易な文で語り直し、話の末に郡市名を添える。山の伝説から其の他の伝説まで十五の部に分け、あとがきでは前年に出した『愛知県伝説集・虹と黒潮』を全面的に改稿し増補したと記す。