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竜頭池に沈んだ母子が鳴くほいほい鳥

所在地愛知県田原市藤七原(竜頭池)
年代伝承
登場未亡人と子
出典愛知県伝説集

どんな伝承か

渥美郡田原町の藤七原は山に囲まれたわずかな耕地にすがる貧しい集落だった。昔ここに大勢の子を抱えた未亡人がいて、いくら働いても食べるにも事欠く暮らしに疲れ果て、ある日山で他人の薪を一束持ち帰ってしまう。それを知った村人の目は冷たく、役人に捕まる恐れもあって、母親は思い余って可愛がっていた子を一人道連れに、集落の竜頭池へ身を投げた。しばらくして池のそばを通った村人が「ほうい、ほうい」と呼ばれた。見上げると見慣れない鳥が木にとまって鳴き、池の向こうからも同じ声が応える。死んだ母子がこの鳥になったのだと噂が広がり、人々はほいほい鳥と呼ぶようになった。今もその声が聞かれるという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

愛知県伝説集(福田祥男・1961年(昭和36年))

『愛知県伝説集』は、福田祥男が昭和三十六年に著した愛知県の伝説集である。尾張・三河の山や海、淵や池、地蔵と観音、石や塚、城跡、地名、動物と変化、植物、祟りと怨霊などにまつわる言い伝えを、原型に忠実に再現することをめざして平易な文で語り直し、話の末に郡市名を添える。山の伝説から其の他の伝説まで十五の部に分け、あとがきでは前年に出した『愛知県伝説集・虹と黒潮』を全面的に改稿し増補したと記す。

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