天明の飢饉を供養する自然石の観音
どんな伝承か
郡山市西田町丹伊田の甲森に伊屋塚観音がある。高さ三メートル、幅二メートル、厚さ一メートルという自然石に観音像が彫られたもので、天明の大飢饉のとき多くの人や馬が餓死したため、その供養として祀られたと伝えられている。いまも旧暦三月十七日には部落の人々が集まって祭りを営み、文化丁丑季春鑒森と墨書された祭の大幡が使われ続けている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(郡山市教育委員会(編)・大島建彦(監修)・ふるさとの文化財調査事業・1986年(昭和61年))
『郡山の伝説』は、郡山市教育委員会が大島建彦の監修を受けて昭和六十一年に編んだ伝説集である。昭和五十九年度の「ふるさとの文化財調査事業」で調査員が市内全域から採集した伝説を中心に、郷土誌などで補った話を収め、采女伝説や坂上田村麻呂・源義家・弘法大師にまつわる話が多い。『日本伝説名彙』にならって木・石岩・水・塚・坂峠山・祠堂・家村・祭礼行事の部に分け、各話に伝承地と報告者名を添え、巻頭に監修者の解説を置く。