自性院の志士を見張った捕吏
どんな伝承か
幕末の勤王の志士として名高い米沢出身の雲井龍雄は、元治元年に御戒衛となり、高畠の自性院という寺を宿としていた。「孤吟一斑」は当時の作である。龍雄は全国の志士と気脈を通じて倒幕の策を練り、倒幕の導火線とまでいわれた。その頃、幕府の捕吏として名高い世良修蔵が数人の捕吏とともに亀岡に来て宿を取り、高畠の龍雄の動静をうかがっていた。人々は修蔵が捕吏であることも知らず、ただの旅人としか思っていなかった。修蔵は賭博場に出入りして世情を探り、半年も泊まり続けた。やがて龍雄は捕えられて江戸伝馬町の牢につながれ、戸塚原の刑場で斬首された。墓は米沢市内にある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年))
『高畠町伝説集』は、山形県立高畠高等学校文芸班が熊木成夫教諭の指導で編み、昭和三十二年に高畠町伝説集刊行会から発行した伝説集である。高畠町とその周辺に伝わる社寺の縁起、人物、怪異、動物、地名の由来などを、古老からの聞き書きと古記録から採り、内容の多くは郷土研究家安部名平次の蒐集による。神仏・人物・怪異・動物・什物・地物・地名・地誌の八篇に分け、町長の序と校長・安部名平次・武田好吉の文、編者の後記を付す。