金時の宿り石
どんな伝承か
箱根の金時山は、昔は猪鼻岳と呼ばれていた。いまの開成町酒田の豪士酒田義家は、同じ集落に住むおじと仲が悪く、そのおじの仕掛けた罠にかかって殺された。幼い金太郎はうばに背負われて猪鼻岳へ逃れ、人目につかない山奥の岩屋の下に住みついた。金太郎は熊を遊び相手にすくすく育ち、大木を一撃で切り倒すほどの怪力の持ち主になり、のちに坂田金時と名のったと伝える。その岩屋とされるのが山の中腹にある金時の宿り石で、差し渡し十数メートルの巨石の片側の底がえぐれて洞になっており、昔は畳十枚ほどの広さがあった。ここで金時とうばが暮らしたという。
原典より
塚についての伝説水につながる伝説 四七デイラボッチとじんだら沼(相模原市渕野辺) 五五—— 神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年))
『神奈川の伝説』は、読売新聞社横浜支局が一九六七年に編んだ神奈川県内の伝説集である。読売新聞神奈川県民版に昭和四十年九月から四十二年八月まで八十回連載された「神奈川の伝説」のうち六十五回分を収め、文は谷川平夫記者が書き、伝説の地を訪ねて住職や古老に聞いた話と現在の様子を添える。樹木・石・塚・水・坂や島・屋敷址・社寺・禁忌・地名の部に話を分け、大藤時彦の序文と巻末の解説・索引を付ける。