川平・桴海のまやの神
どんな伝承か
石垣島の川平と桴海の二村では、旧暦八月または九月の己亥の日に「まやの神」と呼ぶ儀式が行われる。マヤとトモマヤという二神が出現し、マヤは方言で猫を意味するところから、普通は牡猫牝猫の面を被って来るというが、舞にも詞にも猫らしい信仰は現れていない。二神は阿檀の葉の蓑を着て、蒲葵で編んだ笠を深くかぶり、戸ごとを巡って翌年の祝言を述べる。その章句には農作の道を説くことが多く、沖縄本島のミセセリなどとともに、多くの古い言語がこの中に保存されているらしいという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。