芝居小屋で開かれた田の糶り
どんな伝承か
昨年の秋とかにも、古川町の芝居小屋で大規模な田の糶が行われた。数週前から売るべき田地を一筆ごとに所在番号などを掲げて公告し、印刷にも付して広く回したようである。骨董品より始末が悪いのは、欲しい人にあきらめと算盤がないことである。その上、仲に立つ才取のような者があって、鞘を取って売るつもりで一時買っておき、また糶らせる。小さくすればするほど高く売れるのは当然ながら、ことに気の毒で笑止である。こうした例は決して二度や三度ではなく、米高初期以来の地方的流行であったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第2巻』を全331話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。