一等の駒を御手打馬と呼ぶ市
どんな伝承か
三代村も湖水に注ぐ一つの川の岸にあり、糶庭はその川の川原に設けてある。訪ねた翌日はちょうど三日目であった。諸国から入り込んだ馬商人が家々に泊まり、夜遅くまで話をしている。この村は会津街道であったから、村の中を用水が流れ、路幅が広く、くぐり戸や腰高障子の家が多く、火の影が路へ差して、ただの田舎のようではなかった。当日一等の駒を御手打馬といい、褒美に赤い盃などをくれる。良い馬は領主が買い上げるので御手を打たれるという意味である。牽手は大半が女で、子を背負った女房もあった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第2巻』を全331話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。