海嘯の後に消えた友の屋敷
どんな伝承か
琴を弾く鈴木鼓村の竹馬の友で、後に仙台の兵営で再び旧交を温めた人に、本吉郡唐桑村の良家の若主人があった。鈴木は大海嘯のすぐ後にこの村へ見舞いに行ってみたが、半島の村の小山には帆の破れた船が乗り上げられており、里には一軒の家も残っていなかった。山の麓にあった友人の屋敷も、ただの荒地であったそうである。その後何の消息も聞かないのは、あるいは家内残らずこの災害に遭ったのではないかと鈴木は思うのだと、柳田は記している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。