死助の山のカツコ花
どんな伝承か
死助の山にカツコ花がある。遠野郷でも珍しいという花である。五月、閑古鳥の啼く頃に、女や子どもがこれを探りに山へ行く。酢の中に漬けておけば紫色になる。酸漿の実のように吹いて遊ぶのである。この花を探ることは若い者の最も大きな遊楽であるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。