高知城内に出た山みこ
どんな伝承か
土佐では寛永十九年に高知の城内に異人が現れ、これは山みこという者だといって山中へ送り返したという話がある。ミコは神に仕える女性または童子の呼び名で、山人をそう呼んだことの当否はともかく、当時この地方には彼らと山の神との何らかの関係を認めていた人がいた証拠になる、と柳田はいう。山の神の信仰は維新後の神祇官系統の学説によって名目と解釈を大きく変えられ、今では山神社の祭神はどこも大山祇命かその娘の木花開耶姫と報告されているが、各地の実際の信仰に照らすと、それを古来の言い伝えとは見なせないと述べる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。