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畳にこぼされた菩提寺の茶

所在地岩手県遠野市
年代不明
登場遠野の豪家の主人、菩提寺の和尚
出典定本柳田国男集 第4巻

どんな伝承か

名は忘れたが、遠野の町の豪家で主人が大患いをして命の境に臨んでいた頃、ある日ふと菩提寺を訪ねてきた。和尚は鄭重にあしらい茶などを勧めた。世間話をしてやがて帰る様子に少し不審があったので、後から小僧を見にやると、門を出て家の方へ向かい、町の角を曲がって見えなくなった。その道でこの人に会った者もほかにあり、誰にもよく挨拶して常のとおりであった。ところがこの晩に死去し、むろんその時は外出などできる容態ではなかった。後に寺で茶を飲んだかどうか茶碗を置いた所を改めると、畳の敷合せに皆こぼしてあった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。

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