畳にこぼされた菩提寺の茶
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どんな伝承か
名は忘れたが、遠野の町の豪家で主人が大患いをして命の境に臨んでいた頃、ある日ふと菩提寺を訪ねてきた。和尚は鄭重にあしらい茶などを勧めた。世間話をしてやがて帰る様子に少し不審があったので、後から小僧を見にやると、門を出て家の方へ向かい、町の角を曲がって見えなくなった。その道でこの人に会った者もほかにあり、誰にもよく挨拶して常のとおりであった。ところがこの晩に死去し、むろんその時は外出などできる容態ではなかった。後に寺で茶を飲んだかどうか茶碗を置いた所を改めると、畳の敷合せに皆こぼしてあった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。
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遠野市の伝承
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