④ どぶっ田
どんな伝承か
宮久保の田は「北方、千束一目に見える」といわれるほど見晴らしがよかった。今は家が建て込んで一寸先も見えない。それに比べて曽谷の方の田は深く、「あすこの田んぼの中にちょこりと笠が落っこってるえー」と言ったら、実は男が一人、泥に潜って唸っていたのだという話を、子どもの頃に聞かされたと語る。
原典より
泥っ田・・・・・・ええ、ひどかったですね。—— 市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。