転んだら袖を掛ける宮久保の松
どんな伝承か
宮久保の急な坂に、かつて袖掛け松と呼ばれる松があった。この坂で転んだ者は祟りを避けるため片袖を切って松の枝に掛ける習わしがあり、松にはいつも二、三の袖が下がっていたという。大正の頃のこととして話者は語り、後にこの松を伐採した際にも怪我人が出たという言い伝えが残る。急な坂道でつい足を滑らせる者が多く、その戒めとしてこの習わしが長く守られてきたのだという。
原典より
2 美女ヶ崎八幡1 因縁のあるとこ新田1 三本松と腹切りIII 昔話1 二宮金次郎2 桃太郎3 いんねえのじゅえむどん(1)―田の草取り—— 市川の伝承民話 第6集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1998年(平成10年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第6集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1998年(平成10年))
『市川の伝承民話 第6集』は、市川民話の会が調査・編集し、市川市教育委員会が平成十年に発行した民話資料集である。昭和六十三年度から平成四年度にかけて市川市の下貝塚・八幡・平田・本行徳・香取などで聞き取った世間話・伝説・昔話・唄・年中行事・生活譚を、話者の語りに忠実に記録している。各話に話者と記録者を添え、新たに「現代若者の学校話」の部を設けて口裂け女や学校の七不思議などの怪談も収め、話者名簿・採訪者名簿・あとがきを付ける。