入れば祟る葦原と野良のうち
どんな伝承か
助役になった増田三郎の家の近所に、葦がいっぱい生えている一角があった。普通の人がそこへ入ると病気になったり祟りがあって死んでしまうといわれ、周りの人は誰も葦を刈らなかった。ところが「野良のうち」と呼ばれる難波大吉の家だけは、そこへ入って葦を刈っても何ともなかったという。葦は屋根葺きに使う貴重品だったが、他の人はそばへ行って一本折っても祟りがあるとされ、遠くから眺めて怖がっていたと語る。広さは百五十坪ほどだったという。
原典より
助役になった増田三郎っているんですよ。—— 市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年))
『市川の伝承民話 第7集』は、市川民話の会が調査・編集し、市川市教育委員会が平成十一年に発行した民話資料集である。平成四年度から六年度にかけて市川市の柏井・須和田・宮久保・原木・稲荷木と国分高校ほかで行った採訪の聞き書きを、話者の息継ぎや方言を残したまま収める。世間話・伝説・昔話・唄と諺・年中行事・生活譚・現代若者の学校話の七部に分け、巻末に話者紹介と会員の採訪記、あとがきを付す。