弘法の井戸
どんな伝承か
館山市神余に伝わる。大同年間、この地を訪れた弘法大師に乞われるまま、心優しい婦人が一椀の粥を供養したが、塩気がなかった。婦人が、貧しくて塩も買えないのだというと、大師はこれをあわれみ、近くの川のほとりへ行って錫杖を地面にさし、しばらく祈禱してから抜いた。すると、そこから塩からい水が噴き出したという。この井戸は塩井戸ともいわれ、いまも同地に現存する。弘法大師が錫杖や独鈷で地を突いて水を出したという伝説は、県内に類例が多い。
原典より
大同年間、この地を訪れた弘法大師に乞われるままに、心優しい婦人が一椀のお粥を供養したが塩気がない。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
平野馨編『房総の伝説』を全245話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。