里見家再興の秘宝を隠した小松寺の童歌
どんな伝承か
安房館山城主の里見忠義は、妻の実家である小田原城主大久保忠隣の陰謀に加担したとされ、慶長十九年九月九日に安房の所領を没収されて伯耆の倉吉三万石へ移された。このとき、十代百七十余年にわたって南総に武威を振るった里見家を再興する資金として、忠臣が十億万貫の銭などの秘宝を隠したと伝えられている。隠し場所については千倉町大貫の小松寺、鴨川市宮山の長安寺、館山市真倉の山など諸説がある。小松寺の文書には、漆千杯・朱千杯・銭が十億万貫、朝日さす夕日輝くもろ木の下に、という童歌が記されているという。
原典より
安房館山城主里見忠義は、妻の実家である小田原城主大久保忠隣が官物横領を陰謀したのに加担したとして、慶長十九年九月九日、安房の所領を取上げられ、伯耆国の倉吉三万石に移封された。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
『房総の伝説』は、平野馨が安房・上総・下総の旧三国、ほぼ今の千葉県に伝わる伝説を選んで編んだ資料集である。ホトトギスやワラビの由来、片葉の芦や頼朝の箸の杉、弘法の井戸、将門や八幡太郎の話、坂戸神社の人身御供、証誠寺の狸など、動植物・石・池・地名・家・祭りにまつわる伝説を市町村名を添えて記す。はしがきに示す自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三部に分け、解説や論評を加えずに書き連ね、似た話のある土地も併せて挙げる。