僧に化けて法華経を学んだ飯高寺の狐
どんな伝承か
八日市場市(現匝瑳市)の飯高寺に、学問好きの狐がいた。もとは寺の橋門の下に棲んでいたというが、経を学びたくて僧に化け、十数年にわたり修行して他の僧を指導するまでになっていた。ある時、能化上人という人の入山式が盛大に行われ、その疲れで年老いた狐はつい正体を現してしまう。寺も信者も驚いたが、法華経に詳しかったその働きに応え、境内に稲荷神社を建てて祀り、狐は寺の守護神となった。これが今の古能葉稲荷である。
原典より
八日市場市の飯高寺に、学問のよくできる狐がいた。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
『房総の伝説』は、平野馨が安房・上総・下総の旧三国、ほぼ今の千葉県に伝わる伝説を選んで編んだ資料集である。ホトトギスやワラビの由来、片葉の芦や頼朝の箸の杉、弘法の井戸、将門や八幡太郎の話、坂戸神社の人身御供、証誠寺の狸など、動植物・石・池・地名・家・祭りにまつわる伝説を市町村名を添えて記す。はしがきに示す自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三部に分け、解説や論評を加えずに書き連ね、似た話のある土地も併せて挙げる。