大評判になったあめ売りおまん
どんな伝承か
江戸時代の嘉永(一八四八―五三)のころ、若葉町に「おまんが飴」を売る娘がいて大評判であった。おまんは納戸の手拭いを巻き上げにかぶり、紅ひもで結んだ笠をかぶって、納戸小袖に黒えりをつけたものを着、紅染めの前掛けに友禅の帯をしめ、紺のきゃはんに白たびをつけ、麻裏のぞうりをはき、編みがさを肩にして町々を売り歩いた。その唄声や所作がおもしろいので、芸者や子どもまでがまねをするほどで、中村屋の芝居にまで取り入れられて人気をあつめたという。売り歩くときの唄も書きとめられている。
原典より
時代 江戸時代 嘉永(一八四八 五三)のころ若葉町に、「おまんが飴」を売る娘がいて大評判であった。—— 新宿と伝説(新宿区教育委員会・1969年(昭和44年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新宿と伝説(新宿区教育委員会・1969年(昭和44年))
『新宿と伝説』は、新宿区教育委員会が昭和四十四年に編んだ区内の伝説集である。カッパが出る坂、四谷怪談のお岩、矢来町の化け石、女幽霊が掘った清水など、牛込・四谷・戸塚大久保・新宿・淀橋柏木落合の各地に伝わる六十二の伝説を、江戸の地誌や随筆などから採って収める。第一章で伝説の分布と型を概説し、第二章では地域別に、各話へ場所・時代・出典・解説・参考書を添える。