動かなくなった不動と力蔵の仇討ち
どんな伝承か
新勝寺の不動明王像は、弘法大師が刻んで京都神護寺に安置されていたものという。平将門の乱の折、朝廷の命を受けた寛朝僧正がこの像を奉じて下総に下り護摩を修すると将門調伏の霊験があったが、京へ持ち帰ろうとすると像が急に重くなり動かなくなったため、この地に留め置かれ新勝寺が開かれたと伝わる。後年、力士桂川力蔵がこの不動に二十一日の断食祈願をして怪力を授かり、父の仇を討ったという霊験も伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 下総の巻(藤澤衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 下総の巻』は、藤澤衛彦が編著し、大正七年の緒言と大正八年の序を添えた下総国の伝説集である。平将門・佐倉宗吾・真間の手児奈・累などを中心に、千葉県と茨城県西部にまたがる旧下総の城跡・寺社・墓・橋・井戸などにまつわる伝説を、地誌や古記録の引用を交えて収める。緒言で百七十九編を収めると述べ、国名の由来から始めて、話ごとに所在の町村名を付した見出しを立てて並べる。